調布市不登校児童・生徒への支援プランができました
3月22日に傍聴した第3回教育委員会において、不登校の子どもたちへの支援プラン案にパブコメを踏まえて変更を加えた最終版が報告資料として出され、特別支援教育担当から説明がありました。以下、大きな変更点について報告します。
❶タイトルとサブタイトル
タイトルが変わり、サブタイトルには「多様な学びの機会の充実を目指して」という文言も加わりました。学校復帰だけが目的ではなく、その子に合った学びを応援していこうという教育委員会の姿勢が表れています。
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❷変わるべきは学校
「策定の経緯」には、子どもたちの社会的自立を目指すための学校や学びのあり方が問われている現状に加え、「今後、学校は社会の変化に順応しつつ、子どもの多様性に適応していくことが求められます」という、非常に大切で重い一文が加えられました。社会の急速な変化から最も取り残されている組織の一つ、それが未来ある子どもたちの学びや育ちの場である学校だという深刻な状況。まずこの現実を受け入れ向き合うことが不可欠です。
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❸不登校の理由に向き合う
次に、「調布市の不登校の現状」では、不登校の要因に関する調査について、学校の回答のみが記載されていたところに、不登校児と保護者を対象に文科省が実施した実態調査の結果が追加されました。同じ「不登校」という現象でも、その背景にある問題は立場によって異なって見えます。学校からの見解だけをもとにしていては、根本的な解決にはつながらないでしょう。より多角的に課題を捉え、子どもたちが学校に行きづらくなる原因に向き合おうという姿勢が感じられます。
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❹子どもの声を聴く
大きな変更点として、新しい取組みが2つ追加されています。特に児童生徒の声を聴く機会の創出は、こども基本法にもとづく取組みとしても非常に重要です。
(新規追加)
(新規追加)
❺誰一人取り残さない
教育委員会所管の機関や児童相談所、病院、SCなどの相談や指導に繋がっていない子どもが非常に多い現状に対し、その数をゼロにするという目標値に切り替えました。一人も取り残すことなく、学びと育ちを支える意思が感じられる変更です。
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❻子どもの学びをみんなで応援する
プランの表紙をめくると、保護者や地域へのメッセージが追加されています。学校や教育委員会だけではなく、家庭や地域が<不登校>という現象について正しく理解し、子どもたち一人ひとりの中から湧き出てくる力、学びたいという思いに寄り添っていくことが大切です。そのことを共有することの必要性が記載されています。
素案段階からパブコメを経て、最終版にはかなり当事者の声を反映させた、この問題の根幹にかかわる重要な変更が加えられました。本来は委員会に当事者や保護者、不登校経験者が入ってしかるべきでしたが、代わりにパブコメを介して切実な声が教育委員会に届き、プランに反映されたと思います。パブコメを書く会に参加してくださった皆さまの声で、より実効性のあるプランに近づいたと思います。教育委員会の委員からは「これほどの厳しい声が届けられたのかと、襟を正さなければという思いだ。パブコメにくり返し出てくる『美辞麗句』に終わらないようにしたい」との発言に加え、「学校が変わらなければならないという、非常に重要な文言が加えられた」との評価もありました。
誰一人取り残すことなく、子どもたちがみな自分の足で立てるようになるまで伴走し、応援するまちとなるよう、これからも力を合わせていきましょう。