学校でも性の多様性への理解を

7月11日に参加した性と生き方の多様性講座では、倉敷市立の中学校にお勤めの松尾真治さんからお話を伺いました。

あるジェンダークリニックを受診した1167人を対象とした調査では、当事者の56.6%が小学校入学前、13.5%が低学年の間に自分の性に違和感を感じ始めています。一方、いじめや暴力を受けた経験は性別違和がある子どもの方が多く、特に性別違和がある男の子はそうでない男の子に比べて20%前後高くなっています。


いのちリスペクトホワイトリボン・キャンペーン「LGBT の学校生活に関する実態調査 (2013) 結果報告書」p.2)

学校生活の中で支障となるのは、制服、トイレ、ランドセルの色などの男女区別、身体測定、水着、着替え、宿泊行事での入浴など。ほぼ日常的に支障があることがわかります。

しかし、そういった悩みは保護者にも学校でもなかなか相談できず、内側へ向かうことで自分自身を傷つける行為につながることも少なくありません。自殺総合対策大綱においても性的マイノリティのそのような傾向の背景には無理解や偏見といった要因があることを踏まえ、教職員の理解促進が必要だとされています。

学校では、担任の先生やSC、養護の先生など、子どもが信頼を寄せる先生が相談を受ける可能性があります。しかし、性的マイノリティの子どもからの相談は、保護者にも明かされていないことも多く、他の教員に相談したり、保護者に伝えたりすることが、本人の望まないアウティングになる危険性があります。一方、子どもへの声かけ、相談後の対応、学校でするべき対応など配慮するべき点をしっかりと押さえておくことで、相談をした子どもの気持ちは救われ、悩みが軽減します。ぜひ調布市の各学校でも理解と取組みを進めてほしいと思います。

倉敷市では、保護者が不用意な発言をすることで子どもが相談しづらくならないよう、また子どもから告白を受け止められるよう、保護者向けのパンフレットも発行しています。(クリックで開きます。)

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(倉敷市発行 リーフレット「保護者に知ってほしい 多様な性」)

また、調布LGBT&アライの会では、毎月11日のオンライン講座以外に出前講座も実施されています。市民講師の方がとても分かりやすく説明してくださいますので、ぜひ活用して、地域でもSOGI理解を深めていきましょう。
出前講座(協力団体編)(p.12にあります)