給食費無償化について
4月より東京都の補助事業を活用して、調布市でも給食費無償化が始まりました。3月の予算審査で市長に対して行った質疑の内容と、4月からの無償化事業の詳細についてお伝えしたいと思います。
<質疑から>
❶質の担保をー無償だからと質を下げないで!
調布市の給食は、徹底したアレルギー対策、減農薬に努めた地場野菜の利用、学校給食物資食材取扱基準に基づいて選定された添加物を使っていない調味料や食材、また遺伝子組み換えでない食材の使用など、非常に質にこだわっています。こうした質を担保するには食材費がかかる上に食材費も高騰しているため、市が給食費を負担することで、品質を下げることにつながらないよう求めました。これまでと変わらない質を確保するとの答弁でした。
❷給食を食べられていない小中学生の世帯には給付を
給食費無償化が経済的負担軽減となるのは、公立学校の給食を食べている世帯だけです。アレルギーや宗教上の理由などでお弁当を持参せざるを得ない子どもたちや不登校の子どもたちの昼食は、家庭で負担して提供しています。また、私立学校の子ども世帯も無償化の対象外です。早くに給食費無償化に取り組んでいる自治体の中には、こうした子どもたちの世帯もすべて対象とし、相当分を支給するところもあります。都内では杉並区がこの4月から開始します。
アレルギーや宗教上、また不登校などが理由で給食を食べられていない子どもの保護者は、社会のいわゆるマイノリティとして、より負担の大きな子育てに向き合っていると言えるでしょう。子育ての負担は、保護者の就労にも影響することがあります。保護者の経済的負担軽減というのであれば、こうした保護者が漏れてしまうことは強く意識し、対策を打つべきです。
❸公的支援や「公平性」とは
ー特に配慮するべきは就学援助対象の不登校児世帯
就学援助の対象世帯への影響がもっとも懸念されます。就学援助対象世帯は、もともと給食費は無償です。一旦支払っていただき、後日、就学援助費に含まれる形で返金されてきました。給食費無償化により、支払う必要はなくなりますが、支給される就学援助費から給食費分が差し引かれます。物価高騰は経済的に厳しい家庭への影響がより大きいわけですが、給食費無償化はそうした世帯には何の変化ももたらさないのです。(格差が拡大するという見方もできます。)特に就学援助対象世帯で、お子さまが不登校になっている家庭は、就学援助費が減額となるにもかかわらず、家庭の負担で昼食を提供する必要があるため、市独自ででも相当額を給付をするよう要望しました。
<給食費無償化の内容>
実際の給食費無償化事業のスキームは下記のようになっています。無償化の対象の方は、特に手続きをする必要はありません。下記の給食費が市から学校を経由して事業者に支払われます。
🔶小学校
・低学年(1・2年生) 288円
・中学年(3・4年生) 299円
・高学年(5・6年生) 310円
🔶中学校 370円
(いずれの金額も、給食の質を下げないために、2023年度の給食費に物価上昇分の30円を上乗せしてあります。)
食物アレルギーなどの理由で学校給食を食べられないお子さまについては、給食費相当額が補助されますので、学校に申し出てください。はしうち教室も本来は給食が提供されるべき施設となっているため、登校日数分、給食費相当額が補助されます。
一部、要望が通りましたが、残念ながら学校をお休みしている子どもたち世帯への給付が実現していません。今後も市民の皆さんと一緒に声を上げていきます。