議会改革への取組み

調布市議会では、2011年に議会改革検討代表者会議を設置し、2013年まで、実に33回の会議を経て議会改革を大きく進めました。当時の生活者ネットワークの市議は私の前々任者のドゥマンジュ恭子でした。一人会派も委員として会議に所属し、複数会派、一人会派の垣根なく議論を重ね、「開かれた議会」を目指し、オンライン配信や質問方法、時間、陳情者への対応など具体的な事項について決定したことに加え、議会基本条例を制定しました。(議事録は市議会HPに公表されています。)

その後、前任の二宮陽子の時に検証を行い、2019年に検証報告書を出しましたが、2019年の改選後、検証結果に基づいた改善が進められないままコロナ禍に突入。昨年6月の改選後、改めて検証事項を各会派から出し合い議論を進めています。

各会派から検証が必要だと思われる事項が提案されています。会派によって色々な考え方があり、とても興味深いです。
調布市議会基本条例検証シート 対象条文に対する課題等のサムネイル

生活者ネットワークからは、次のような内容を提案しています。

★広報や広聴機能について
○議会報告会の分科会やアンケートで寄せられた意⾒・要望や提案については委員会等で議論し、必要に応じて⾏政への政策提案につなげるプロセスを作る。
○陳情者説明では、陳情者が⼗分な説明をおこなえる時間を保障する(現在の原則5分より長くする)とともに、内容を陳情者と全議員が共有できるよう議事録(記録)を作成する。
○議会としてのSNS活⽤を検討する。

★議会の使命や活動原則について
○陳情審査において採択・不採択・趣旨採択がいずれも過半数に満たない時は、採択・不採択で再度採決するなど、廃案としないよう改善する。(現在は、付託された委員会で7名の委員が審査する際、委員長を除く6名が2名、2名、2名や1名、2名、3名などに態度が分かれ、いずれも過半数に満たないと「審議未了」となり、議会全体での審査にかけられないまま「廃案」になってしまいます。)

○改選直前の定例会に提出された陳情が「継続審査」となった場合も廃案とせず,再提出がなくても改選後の定例会で審査対象とする。(現在は廃案となっています。)

○予算・決算議会においては,委員会への市⻑等特別職の出席を求める。(調布市議会は他の多くの議会と違い、「予算・決算特別委員会」がないため、市長等特別職への直接の質疑は本会議初日の上程時にしかチャンスがありません。より深い審査をするためにも、市長や教育長に直接質疑できる場を積極的に確保することが必要だと考えています。)

○申し合わせ事項を議会基本条例に照らして検証するとともに、情報公開の観点からもHP等で市⺠に公開する。(調布市議会には条例や規則以外に、慣例などにもとづく「申し合わせ事項」がたくさんあります。その時の議会構成などで決まっていくものも多く、定期的に客観的検証を行うことが必要だと考えています。)

○議会運営委員会の配布資料をHPで公開する。オンライン中継傍聴者への対応としても事前の公表が望ましい。

○議員提出議案の提出者説明の時間を延⻑するとともに、質疑・討論を⾏うようにする。⼗分な議論をするためにも提出期限を早める。市⺠の総意として提出するものとして全会⼀致での可決とする。(市議会から都や国に提出する、いわゆる「意見書」のことです。提案者が提案理由を説明する時間は2分しかありません。また賛成・反対の態度について理由を説明しないまま採決に入ってしまいます。他の多くの議会では質疑や討論がされています。)

★災害時について
○議会BCPの策定に向けた調査・研究を始める。その中でタブレットを使⽤した議会開催についても検討する。(コロナ禍の初期段階から提案しています。)

★政治倫理について
○議会もハラスメントを理解する必要性が増していることから「調布市議会議員の政治倫理に関する規準等を定める規程」について時代の流れに合わせた検証、⾒直しを⾏うとともに、全議員対象に毎年ハラスメント研修を実施する。
○少なくとも新⼈議員には個⼈情報保護についても研修を⾏う。

上記以外にも、現在は同日開催されている4つの常任委員会を、別日程で開催するという改革は一人会派を認めている議会としては当然進めるべき事項だと考えています。