市は外環事業者との関係性を明らかにせよ
第二回定例会では「都市整備部外環担当部署における条例違反の情報公開の運用を改めることを求める陳情」が寄せられました。陳情者によると、異なる部署が所有しているほぼ同じ内容の公文書に対して情報公開請求をしたところ、一方の文書を保存・管理する議会事務局からは個人情報のみ黒塗り、もう一方の文書を保存・管理する外環担当部署からはほとんどが黒塗りにされたものが出てきたというものです。背景を把握するために、私自身も資料請求をして確認しました。
文書【A】が議会事務局が公開した文書、文書【B】が外環担当が公開したものです。
【A】
【B】
文書【B】は、ある専門家が市長に対して専門的所見を伝えるため、市長宛てに2021年9月に送付したものです。ひと月後の10月18日、同一の専門家から市議会にも同様の内容の文書の送付があり、そこに【A】が参考資料として添付されていました。【A】と【B】を比較すると、一番上の部分や、おそらく押印があったと思われる箇所に違いがありますが、その他は同じだったと思われます。日付や「長友貴樹殿」といった宛て名まで黒塗りになっています。
議会事務局が公開した【A】で、送付者自身の個人情報が非公開になっていることはある程度理解できますが、外環担当は、なぜ所見に当たる部分まで真っ黒にしたのでしょうか?(議会事務局は、本文の部分は専門家の所見として公開するべき内容だと判断しています。)外環担当は、非公開の理由として「公にすることにより市民からの率直な相談、問合せを妨げるおそれがあるため」と回答をしています。しかしこの文書は、一専門家が調布市の外環被害住民の救済のためにと、第三者的専門家の立場からの見解を寄せたものであり、個人的な相談や問合せではありません。
空洞や陥没の大きな原因ではないかと指摘されていながらも事業者が固執する気泡剤の問題点や、大深度法の不備、被害地調布市の対応の問題点などを鋭く指摘する内容だったため、事業者寄りの立場を取っている市が、公にすることを躊躇したのではないか?こういった疑念に繋がりかねない対応です。市がこのような情報の扱いをしている限り、市と事業者の特別な関係性に対する市民の疑念は晴れません。
市民にはほぼ非公開としたこの文書、事業者とは共有したのでしょうか。市民には非公開としながら、事業者とは共有したとすれば、その理由は?現職市長は、ごまかさず、市民に対する説明責任を果たすべきです。
<参考>
市長宛ての提言文書には、さらに4つの文書が添付されていましたが、ほとんど黒塗りで公開されました。
※なお、担当職員が部長決済を取るまでのすべての職員の押印がある文書(全公開)が含まれていましたが、それはここでの公開は控えています。(私なりの職員への配慮です。)