外環問題に関するシンポジウムに参加

1月17日(月)、外環事業者や有識者委員とは無関係の専門家による外環問題に関するシンポジウムに参加しました。

トンネル工学、地盤工学、地質学、事故調査などの専門家がそれぞれの立場から外環道トンネル工事における調布市の陥没事故の原因や被害範囲について見解を示しました。事故以降に住民などから寄せられた疑問に対して事業者が公表している回答の検証も行われ、中には「何の説明にもなっていない・何を言っているのか意味が分からない文章」という評価もありました。

会の最後には、「NEXCOや有識者委員会の説明の信ぴょう性は薄く、事業者には根拠のある説明を求めたい」ということが参加者の総意として締め括られました。陥没からすでに1年数か月が経過し、練馬の方から工事再開という段階になって、これまでの事業者の説明は根拠が疑わしく信ぴょう性が薄いとは、沿線住民にとっては衝撃の見解です。

また、シンポジウムでは気泡剤の使用が陥没・空洞の主たる原因だとの見解も示されました。思い返せば、世田谷では野川に酸欠空気の気泡が出たことを受けて気泡シールドからベントナイトを使用した工法に切り替えたのに、調布に入る時には、住民説明会も開かず気泡剤を使う工法に戻したので、住民の間では疑問の声が上がっていたのでした。そして、練馬から再開すると言われている工事でも気泡剤使用の方針は変わっていません。なぜそこまでして気泡剤を使おうとするのでしょうか。工事の安全性よりも優先されていることがあるのでしょうか。工事再開前に徹底的に追究されるべき問題の一つでしょう。

イギリスの土木史上最悪と言われたヒースロー空港での陥没事故で崩れた土砂が3000㎥、博多駅前の陥没事故は3倍のが9000㎥だそうです。そして調布でNEXCOが緩めてしまった地盤(事業者が責任を認めているトンネル直上部分に限定した場合)の土砂は167000㎥とのこと。NEXCOが調布市、そして調布市民に与えた被害が途方もなく大きいことが伺われます。

被害を被りながら、補償対象にならない数多くの調布市民に真っ当な救済措置が図られるよう、そして二度とこのような事故に巻き込まれ泣き寝入りを強いられる人々が出ないよう、取り組んでいきたいとの思いを強くしました。


左から木下、やない克子練馬区議、岩永やすよ都議会議員、まつざき淑子狛江市議