「命が大事」近隣住民のまとまった声を!

11月3日、東つつじヶ丘2丁目陥没事故・住民集会に参加しました。

定員60名の会場がほぼ埋まるくらい集まった参加者の皆さんからは、トンネル工事に伴う生活への影響について次々と声が上がり、20名近くの方々から振動や騒音の被害についてお話を伺いました。

花火が打ち上げられるような音が断続的に聞こえた。地下工事の音のはずなのに2階から聞こえてきて、外に出ると聞こえなくなった。震度1〜2くらいの揺れが続いた。振動や騒音は夜8時頃まで続いていた。週末も夜6時まで聞こえた。家の建てつけが悪くなったが、どう証明すればいいのか。ガレージの階段に大きな亀裂が入り、タイルが剥がれ、シャッターは開閉できなくなった。しかし修理は工事が終わってからと言われた。つまり10年後ということなのか?!世田谷の自宅の下はずっと前に通り過ぎたのだが、陥没事故の映像を見て再び体が振動を感じるようになり、眠れなくなった…。

まだこれからもう1本のトンネルが通ることになっている入間川の東側でも地盤沈下が起き、マンホールが浮き上がっているという指摘もありました。これは陥没事故の当日に私が撮影したものです。

コロナ禍で自宅でお仕事される方も多い中、逃げ場のない空間の中で騒音や振動に悩まされていた住民。工事のことを把握していた方々でさえ、あまりの辛さにNEXCOに訴えたものの、「どうすることもできない」「1週間で通り過ぎるので耐えてください」というような不誠実な対応しか得られなかったといいます。(そもそも「地上には影響なし」という前提のはずなのに!)隣家との間の壁に亀裂が入ったという方は、家屋調査をまだ受けていないということで、こういう漏れがあることも大問題です。

滝坂小地区協の方のお話では、事故現場付近は昔から田んぼで非常に地盤が緩く、「おじいさんが田んぼに行って沈んでしまい、助けに行ったおばあさんも沈んでしまった」という言い伝えがあるほどだと言います。別の方のお話では、3.11の地震の際に道が波打っていたという証言もあるとのこと。そのような土地が宅地化され、さらに高架で計画されていた道路が地盤も調査せずにそのまま地下に移されたわけです。

本来なら直径16mのシールドトンネルを2本通す場合は、間に16m取ることになっているそうです。しかし東京外環道はもともとが高架の計画だったため、事故現場付近では4mしか開いていません。また、土地買収を避けるため川沿いに計画されているところが多く、結果、入間川、仙川、野川といった河川の地下を掘ることになっています。

大深度法は憲法違反の法律だ、との声も上がっていました。40m地下には地権者の権利は及ばない、地上への影響もない、という前提が崩れた以上、法の見直しがされなければ命の危険を感じながらの生活になってしまいます。騒音や振動からの直接の被害だけでなく、心のケアも非常に重要だと思います。今回は怪我人も出ませんでしたが、子どもたちの通学路にもなっている場所です。もし通学中だったら…と想像するだけでぞっとします。今後、土地の情報を持っている自治体は、宅地化の是非についてしっかり監督できるよう基準を設ける必要があるのではないでしょうか。

そして集会でも共有されていた課題は、住民の皆さんがまとまって何を求めていくかということです。まずは憲法で保障されている人権について共通認識を持つことが重要ではないでしょうか。安心して人間らしく生きる権利、財産を奪われない権利、好きな所に住む権利。こういった権利を侵害するような工事は、どれほど公共性が高いものでも認められません。

「命が大事」この一点で住民の皆さんが一致していけるよう応援していきます。