東京外環道本線トンネル工事オープンハウス

滝坂小学校で開催された、東京外環道トンネル工事のオープンハウスに参加しました。

<説明会資料>

いよいよ調布にシールドトンネルが入るということで、市内では近隣住民の間で緊張と不安が高まっているところです。市民の安心と安全のため、調布市では月末にまち歩きを予定しています。

市と住民は着々と近づくトンネル工事に向けて可能な限りの備えをしている中、国の対応は不誠実を極めています。2年前、調布市議会の第三回定例会で、野川での気泡について住民説明会を開くように要求した意見書が全会一致で可決、国交省に提出されましたが、未だに住民説明会は実現していません。

そんな中、つい1週間前の2月3日、また野川で漏気が発見されました。(PDF資料東京外環プロジェクトのHPより)漏気は2月3日14時頃に出始め、すでに止まっているということですが、住民にとっては新たな不安材料となっています。というのも、今回はシールドマシンによる掘削が原因ではないからです。

現在、原因として考えられているのは、東名JCT上部における土留工事の影響です。通常は掘削面から上に抜けるはずの空気が、なぜか掘削場所と距離、高さともに33m離れた野川から出た、それも比較的固い層の亀裂を抜けている、ということで、工事内容や地層の性質にかかわらず、亀裂があればどこからでも酸欠空気が出てくる可能性があることがわかります。原因究明のために調査中とのことですが、おそらく「漏気の成分や量は周辺への影響なし」といった安全性を強調する結果しか示されないでしょう。中でも酸欠空気のことを心配している住民に理解を得て工事を進めていくには、住民説明会は必須です。

今日のオープンハウスで4回行われた説明会は、上記のような要望に応えるものではなく、国の非常に不誠実な姿勢を感じずにはいられませんでした。それには、これまでの酸欠空気問題と工法の変更、それらに関わる調布市議会の要望とそれへの対応などが関係しています。

2018年6月に野川で酸欠空気が噴き出しているのが見つかり、同年9月、調布市議会で<外環道路工事で野川に発生した気泡問題に関する住民説明会の開催を求める意見書>を全会一致で可決、国に提出しました。酸欠空気の漏気への対応として、北多摩層を通過する工事では、気泡を練りこまない工法に変更することになり、それにともなって世田谷区では住民説明会を2回行っています。(説明資料)その後、漏気はありませんでしたが、今年2月3日、東名JCT付近の野川で再び漏気が見つかりました。

さて、一旦は工法が変更され、気泡を練りこまない工法で進められてきましたが、調布の地下を走る東久留米層は、気泡を用いる工法の方が安全性が高いということで、再び気泡を使った工法に戻ります。つまり、またどこかから酸欠空気が地上に出てくる可能性があるということです。

それにもかかわらず、気泡の成分については、これまでの野川の気泡問題後に検査を行い、安全性が確保できているということで住民説明会を開かずに進めようとしています。今日の説明会は、内容が2019年4月~12月までの工事についての説明に限定されていたことから、先日の酸欠空気の漏気問題への言及はなく、元に戻る工法の安全性ばかりが強調され、住民の不安に応えるものとは言えませんでした。住民からは、「なぜ調布では説明会を開かないのか」「気泡を混ぜる工法は問題があるから工法を変えたのに、なぜ元に戻すのか」「狛江、調布でも住民説明会を開いてほしい」「なぜ3日の漏気について、ここで何の言及もないのか」と怒りの声が聞かれました。

市民の日々の安全・安心の生活を保障するためにも、国の不誠実な対応については、調布市議会として新たなアクションを検討すべきです。