【留保地⑥】結局いくらかかるの?
6haもの土地を購入し、400本、500本もの樹木を伐採、伐根して運動施設や公園を設置する計画です。市は「FC東京にも応分の負担を求める」と言っていますが、結局のところいくらかかるのでしょう?
この問いへの答えは、現時点では「まったく分からない」になりますが、分かっている数字と、「なぜ分からないか?」について分かっていることを説明したいと思います。
土地代は?
現在、留保地は財務省が保有しており、調布市は財務省から購入することになります。その時、「面積の1/3を市が買えば、残りの2/3は無償で貸してもらえる」というスキームになっています。借りる2/3の土地は5年ごとの更新で、「やっぱりいらない」となれば、いつでも財務省に返還できます。
では、この1/3はいくらになるのか?ですが、2008年に利用計画を策定した当時で、50億円程度になると見られていたようです。公園(公共の目的)として使うのであれば減免措置があり、さらに国の補助金を1/3に充てることができるそうです。減免措置がない場合で市の負担分は約30億円ですので、それよりは安くなりそうです。
施設整備費は?
FC東京の提案書には、天然芝フィールド2面とクラブハウス、駐車場はFC東京が整備すると書かれています。一方、市の基本計画には、施設整備や維持管理・運営など、多額の費用が生じる部分について「FC東京に対して応分の負担を求めながら取組を進めていきます」としか書かれていません。2025年第4回定例会では、「概算で施設整備には100億円程度、うち市負担3割、FC東京負担7割を見込んでいる」との答弁がありましたが、100億とう数字も、3割とう数字も動く可能性があるということです。
整備後の管理運営費は?
これは施設ができないことには分かりませんが、管理、運営形態については、「指定管理者制度の活用」を視野に入れていることが基本計画で触れられています。
指定管理者制度は、2003年の地方自治法改正で導入された制度で、市立図書館など公共施設を市が管理、運営するのではなく、民間企業やNPOに委託する制度です。そうすることでコストを下げつつ、民間が持っているノウハウを活用して市民ニーズにより合った質の高いサービス提供を実現することを目的としています。調布市の公共施設では、例えばあくろすで使われています。
コスト削減とサービス向上を実現させるため、通常は公募やプロポーザルなどをおこなって競争原理を働かせます。しかし、留保地の管理運営については、最初からFC東京に随意委託することが想定されています。
随意委託が必ず問題となるわけではありません。しかし、留保地の管理運営をFC東京に委託する場合、懸念材料となるのは、天然芝フィールドや人工芝グラウンド、駐車場など、FC東京側の人たちが使用することが想定されている施設の市民利用がどの程度担保されるかでしょう。
あくろすと比較すると分かりやすいと思います。あくろすの利用者は市民です。指定管理者が実施する事業であくろすを使うことはありますが、その事業そのものが市民のためのものです。指定管理者の職員が利用者としてあくろすを使うことはありません。しかし、留保地の場合は管理を委託されるFC東京自身が利用者として留保地を使います。
しかも、市が留保地の管理運営をFC東京に委託するということは、市がFC東京に委託料を支払うことを意味します。委託料を払っておきながら、結果的に市民はほとんど使えないということになれば、そもそもの指定管理者制度の目的も果たせないことになります。
市がFC東京に求める「応分の負担」がどういった内容になっていくか、ということになると思いますが、現時点では全く詳細は分かりません。財政フレームにも見込んでいない莫大な経費がかかる事業が、市民に秘密裏に進められてきたことも、いまだに財政負担がまったく見えないまま強引に進めていることも、大きな問題です。

