【留保地】市民意見は反映されているか?
8月10日に突然発表されてから、基本計画が12月16日に策定されるまで、市民が意見を出せる期間はたったの4か月しかありませんでした。この規模の公共施設整備の基本計画を作る時は、市民意見の把握やさまざまな課題整理に1~2年かけるのが通常のスケジュールですので、どれほど拙速かは明らかです。
この4ヶ月の間に市民が計画の説明を受けたり、意見を言ったりする機会は非常に限られていました。オープンハウスは留保地周辺でしか開催していませんので、いまだに全く知らない市民も多いのが現状です。
❶9月「市の基本的な考え方」についてのオープンハウス2回。
❷同時期にアンケートを実施。
❸10月「基本計画(素案)」についてのオープンハウス2回。
❹10月半ばから11月半ば「基本計画(素案)」についてのパブリックコメント
❶と❸のオープンハウスでは、意見を聞くと言いながら、職員がメモを取る様子はありませんでした。市民の意見を反映するつもりがないことが表れています。
❷は結果が公表されています。約1400件の回答のうち、市外からも約300件集まっているのは、XでFC東京ファンの間で拡散された結果ではないかと思います。FC東京との協働での利用が前提となっているアンケートですが、求める施設で最も回答が多いのは「広場」です。「その他」の意見も220件寄せられていますが、概要も公表されていません。また、自由記述欄にもかなりの回答があったようですが、公表しないので資料請求しています。
❹は周知が進まないながらも、44人から135件の意見がありました。実施結果によると下記のような意見が多く見られます。
1) 意思決定プロセスと透明性への不信
例)拙速なスケジュール、FC東京との癒着懸念など
2) 自然環境保全を求める意見(多数)
3) 公共性確保の要望
4) 財政負担と将来への影響
例)不透明な費用負担、民間企業への利益供与など
5) 生活環境の悪化や調布飛行場のリスク
行政からの回答も同時に公表されているので、AIの力を借りて分析してもらってみました。長いので要約版ですが。
「市の回答は、法律や既存の計画を盾にした「行政としての手続きの正当性」の説明に終始しており、「市民が抱く、生活環境や公金の使い方に対する切実な懸念」を解消するための具体的なデータや代替案の提示には至っていないと言えます。
この状況を例えるならば、「これから建てる家の設計図や見積書を隠したまま、大工(市)が『有名な建築家(FC東京)と協力するから、きっと良い家になりますよ。木は少し残すし、皆さんもたまには中に入れますから、まずは契約(計画承認)してください』と説得している」ような状態です。家族(市民)が知りたいのは「いくらかかるのか」「自分たちの部屋はどこか」という具体的な数字ですが、大工は「それは建て始めてから決まります」と答え続けているのが現状です。」
これらの「市民参加」プロセスを通して伝わってくるのは、「既定路線に固執するばかりで、市民の声はできれば聞きたくないと思っている」という市の姿勢です。
それならば、市として留保地を整備する道は手放し、民間利用にするという判断もあり得るのですが、あくまでも2008年の利用計画をベースにした、公共施設(都市公園)整備計画だという線を残したまま進めようとするために、色々な矛盾が生じています。FC東京との関係が強固になったとしても、市民の声が反映されない施設に多額の税金を投じることになるだけでなく、市政運営の柱である「市民が主役のまちづくり」の理念を反故にしなければならないとすれば、行政にとって失うものはあまりにも大きいのではないでしょうか。
結果的に半分をFC東京の練習場として使うことになるとしても、財政負担など大切な情報を明確に公開した上で市民の意見を幅広く聞き、合意形成をはかっていく市民参加プロセスを一からやり直すべきです。

