まずはアンコンシャスバイアスへの気づきから

昨年12月に発足した調布LGBT&アライの会に入れていただき、毎月開催されている「性と生き方の多様性講座」に続けて参加しています。

1回目から知らない言葉がたくさん出てきます。知らなかった、見落としてきたことがこんなにたくさんあるのかと、驚きの連続です。意識改革とか啓発とか言いますが、いかに自分が思い込みに支配されてきたか、毎回気づかされます。4月の講座では、「性の多様性をめぐる学校教育の課題」について渡辺大輔先生のお話を伺いました。

「シスジェンダー」は、体の性と心の性が一致している人のことを表す言葉として最近使われるようになっているものですが、では、今まではどう呼んでいたでしょう?

答えは、「普通」とか「ノーマル」

つまり、体と心の性が一致しない人は、「普通ではない」「アブノーマル」だということを暗に言ってきたのですね…。「普通」である人たちは、性同一障がい(という表現にも抵抗を感じますが)の人が感じてきた疎外感や差別が存在することすら知らず、そういったことに傷つくこともなく生きることが許された、「特権がある人たち」だという指摘にはっとさせられました。

埼玉県の調査では、LGBTQの人たちは少なくとも3.3%。調布市の人口が24万人とすると8000人です。

学校や職場の会話の中で、テレビやラジオで、SNSで、性的マイノリティへの差別が含まれる発言があると感じたことがある割合は、当事者の方が20ポイント以上高いそうです。それは、同じ発言を聞いても、シスジェンダーはそれが差別的だということにすら気づかないということを示しているのでしょう。

私自身、何気ない言葉で調布市内だけでも1万人近くいる人たちを傷つけてきただろうし、急に変わることは難しい。でも、変わっていきたいと思います。講座では、こんなコメントをしました。「自分も性別に基づいた価値観を押しつけられて嫌な思いをしてきたのに、自分も思い込みでいっぱいだと気づきました。きっと口を開けば自分の中にあるアンコンシャスバイアスが露呈されてしまうと思います。でも恐れずに学んでいきたいです。」講師の渡辺先生からは、自分もまだまだバイアスがあると気づかされることがある。言ってから、あ、違ったと思ったら、「ごめん!今のは違ったよね!」と謝ればいい。でも、そういう気づきが増えることが、現状を変えていくことに繋がるのだとお返事をいただきました。

まだスタートラインに立ったばかりですが、アライの一人でありたいという気持ちを忘れないように、小さなバッジをかばんにつけています。「男」「女」に単純に分けることができない人間の性について理解を深めたい方は、ぜひ調布LGBT&アライの会の「性と生き方の多様性講座」に参加してみてください。