「児童虐待をめぐる諸課題と地域の役割」

全国市議会議長会主催の「2040未来ビジョン出前セミナーin調布」が調布市で開催されました。講演のタイトルは「児童虐待をめぐる諸課題と地域の役割」、講師は山梨県立大学の西澤哲先生でした。

いまだに混同される<しつけ>と<体罰>が無関係であることが明確に語られました。

本来、<不快>な状態から<快>の状態になることを手助けする、愛着や共感に基づいたものである<しつけ>は、明治期以降の生活文化の西洋化にともない、西洋のしつけ(西洋では子どもへのむち打ちを容認していたことを考えると納得できます)に影響を受け、体罰を容認するものになった。しかし、体罰の目的は親の自己満足であり、どんなに軽度のものであっても、子どもにとってマイナスの影響しかないとのことでした。

西澤氏は、日本でもアメリカでも現場で経験を積み、虐待が子どもの精神状態に影響を及ぼすことが社会で認識されていなかった頃から、その関連性を感じてきていたそうです。

子どもを虐待死させた親の口から「しつけのつもりだった」という言葉がいまだに聞かれる日本。厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」がまとめた「体罰等によらない子育てのために(素案)」には、体罰がしつけではないことが明記されています。これからその認識を深めていくとともに、そもそも子どもにイライラの矛先が向かないためにも、「ひとりにしない子育て」に必要な相談機能や地域での取り組みについて考えていきたいと思いました。

盛だくさんの内容だったので、手書きの汚いメモ入りですが、当日のレジュメを貼りつけておきます。

講演レジュメ