調布駅前広場整備計画についての全員協議会ー質問③
③駅前広場の多世代憩い空間には子どもの意見も取り入れて
H25年に作成された計画からゾーニングについては変更がありました。一日中ビルの影に入ってしまう場所もありますし、人が行きかう場所もあります。それぞれに適したゾーニングのあり方を検討した結果、広場南東部の「プレイサークル」はなくなり、南西部の現在子ども向けベンチが設置されているあたりに、子どもを含め、多世代が憩えるコミュニティゾーンが計画されました。
H25作成の以前の計画。
右下にあるオレンジ色の丸がプレイサークル。
今回報告があった、新しいゾーニング。プレイサークルがあった場所は「みどりの庭ゾーン」となり、オレンジで囲われたエリアが「子どもからお年寄りまで誰もが憩い、くつろぐ空間」として「コミュニティゾーン」となっている。
ここはいずれ新しいグリーンホールが建てられるところでもあり、また共生社会実現を目指す調布市ですので、多世代が集える空間という発想そのものは良いと思います。しかし、この変更の根拠となった調査結果に疑問を感じました。
これによると、駅前広場の利用者は、
平日:子ども48人・大人333人
休日:子ども69人・大人415人 となります。
そして、「子どもの利用者よりも大人の利用者の方が大幅に多い」ことを理由に、子どもに特化したプレイサークルのような場所は設置せず、多世代が使えるゾーンに設定する、遊びたければ線路跡地に作ったタコ公園の代替公園を使うように、という説明になっています。
これには2つの視点から問題を指摘しました。
【問題点1】
0~18歳の子どもは市内で約4万人。19歳以上の大人は約19万8千人。大人の方が絶対数が多いのだから、利用者の実数を比較すれば、大人の方が大幅に多くなるのは当然。人口あたりの利用者率で比較すると、
平日:子ども48人(0.12%)・大人333人(0.18%)
休日:子ども69人(0.17%)・大人415人(0.20%) となり、子どもと大人では大きな差は見られません。
それでも子どもの方が数値が少ないと言うのであれば、そもそも子どもの居場所としてタコ公園があったものを、市が閉鎖した結果として受け止めるべき数値ではないでしょうか。市が自ら子どもの居場所を奪っておきながら、「子どもの利用者が少ない」という調査結果を「だから子どもだけの居場所はいらない」という結論に結びつけるのは、子どもに対して不公平と言わざるを得ません。(子どもが聞いたらどう思うでしょう?)
【問題点2】
ここには、「子どもが走り回ると子ども自身も周りの通行人も危ない」という大人から見た一方的な意見が書かれています。では、子どもからはどういう意見が出ているのでしょうか。調布市の子ども条例12条には、「市は、子どもが、社会の一員であることを自覚することができるよう社会参加をする機会を拡充し、子どもの意見がまちづくりに反映されるよう努めるものとする」とあります。これまでの駅前広場整備の長い経緯の中で、この条文はどう生かされてきたのか。子どものいないところで、大人の意見だけを聞いて子どものしつらえを決めようとしている、この市の態度を正したいと思いました。市としてはこの実数を捉えて進めてきた、という答弁のみで、実数の捉え方に問題があるとの指摘や、どういった子どもの意見が出ているか、という質問に対する答弁はありませんでした。市長は「子ども条例は永遠だ」と答弁。しかし、条例だけ作っても実践しなければ意味がありませんし、必要に応じて改正も必要です。また、「安心して子どもを育むことができる街」を目指すという答弁からも、子どもをいかに育てるかではなく、子ども自身の育ちを大人が支えることが重要だとの認識が十分ではないことが分かります。子どもの意見表明についても、引き続き色々な場面で訴えていく必要があると感じました。
これまでの間、特に前半期間に不足していた市民参加や分かりやすい情報提供については、さまざまな改善や新しい取組みがされてきました。その間の市の努力は評価しています。駅前広場に予定されていた地下駐輪場設置計画は、都市計画決定したものを取りやめたのですから、大変な決断でした。議会にとっても責任を問われる問題でした。しかし、時代や気候、市民の意識や生活スタイルが大きく変化している今、市が一方的に決めてしまうのではなく、その時の市民と一緒に作り上げていけるような、柔軟な運用ができる広場を望みます。その重要な前段階として、計画段階においても特に後半には色々な市民参加手法が取られました。市の「市民参加」から「市民参画」への意識改革、そして市民からの建設的な参加・参画と協働で、生き生きとした楽しいまちづくりを実現していきましょう。
議会中継 1:02:14あたりから