東つつじケ丘の陥没①~陥没以前の近隣の様子
恐れていたことが起きました。10月18日のお昼過ぎ、調布市つつじケ丘2丁目の市道で大きな陥没が起きました。東京外環道トンネル工事で使われているシールドマシンがひと月ほど前に通過したところです。
(撮影:木下)
(提供者:調布市)
まだ原因は究明中ですが、19日に行われた有識者会議が出した結論としては、「因果関係がないとは言い切れない」というものでした。そもそもこの工事は、地下40mで行われる大深度工事だということで、地上部への影響はないことが前提で上部の住民の許可を取らずに始め、進めてきたものです。専門家による「因果関係がないとは言い切れない」という見解は、その大前提を崩すものです。これまで地上部への影響はないという前提に立っていることを建前に、住民からの不安の声に真摯に耳を傾けようとしてこなかった事業者の責任は重大です。
9月26日に若葉小学校でオープンハウスが開催され、密を避けながら、住民との意見交換も行われました。そこでは、今回の陥没が起きた場所から数軒離れたところにお住まいの方々から振動や音の被害の訴えもありましたし、建物への被害についての情報提供もありました。
そこで29日に現地視察に伺ったところ、屋外の壁に入った亀裂がどんどん広がっていたり、コンクリートの割れ目が開いている、またタイルが剥がれ落ちるといった事象を確認しました。
また振動や音についても、被害を訴えている方のお宅に入らせていただいたところ、確かに「ドンドン!ドン!ドンドン!」という音が聞こえてきました。問題は、その音が直接鼓膜に響いてくるものというよりは、耳の奥の骨から頭蓋骨に響いてくるような種類のものだということです。耳の奥が詰まったような感覚にもなり、動悸がして息苦しくなり、外へ出ると開放されて肩の力が抜けました。その方が訴えているように、ずっと家の中にいると精神的に追い詰められてしまうでしょう。お近くの方の中には、家にいられないからと朝から4時間もワンちゃんのお散歩に出ている方もいたほどです。地下深くの工事ですから、工事のことを知らないまま被害に遭っている住民も少なくなく、マンションなどでは住民同士の争いの種になっているとも聞きました。
直前のこういった訴え以外にも、ずっと以前から福岡の大陥没や神奈川の地盤沈下のようなことが起きるのではないかとの心配の声、そうならない対策だけでなく、万一そうなった場合の連絡手段や避難経路の確保、住民への周知などについても丁寧な対応を求める要望が出ていました。その要望にも応えず、野川で漏気が見られた際にも市議会からの要望書を無視して住民説明会を開かず、強行に進めてきた結果が今回の陥没です。
本日、20日に国交省とNEXCOが調布市に説明に来たということで、急遽、市から緊急要請を行いました。(要請文書のPDFはこちら)調布市議会としても、さらに住民の方々の声を丁寧に聞き、国と事業者に対して真摯な対応を強く求めていかなければなりません。