【留保地16】「議会の判断」とは?

調布基地跡地留保地の施設整備については、基本計画やこれまでの答弁の中でも、「市民の理解を得られるよう努める」ことと、議会には「適宜、必要な情報を共有し」「議決を要する案件については議会の判断を仰ぐ」ということがくり返されています。

前半は、つまり市民の意見は聞いても反映はさせない、ひたすら行政の考えを受け入れるよう求めるということです。

では、後半についてはどうでしょうか。

実は、議会はあらゆることに対して可否を判断する(=議決する)権限があるわけではありません。基本的に、税金の使い道をチェックする立場ですので、予算・決算時一定の金額以上の契約を結ぶ時、あとは条例を新しく作ったり、改定したりする時に、いわゆる「議案」として市長から提案があり、議会で議論して可否を議決することになります。

こうした「議決案件」と呼ばれるもののほかに、「承認」が必要なものもあります。教育長や監査委員などの人事に関することや、緊急時などに議会を開かずに予算などを「専決処分」した場合です。

逆に言うと、上記以外のことは、議会を経る必要がありません。(よく、議会や議員にはあらゆる権限があると思っている方がいますが、そんなことはないのです。)しかし、行政本意で進めると市民の皆さんの実情に合わないことも生じるため、行政の方でアンケート調査や聞き取りをしたり、議員が仲介を務められるよう、議会側に説明をしたり、意見を求めてくる場面もあります。

では、留保地の計画で「議決を要する案件については議会の判断を仰ぐ」と行政が言っている内容には、どのようなものが含まれるのでしょうか。これまで、また今後の流れに即して整理したいと思います。

下の表で「議決や承認の必要性」が「なし」となっているものは、議会として直接関与することができず、行政主導で決められます。

内容 議決や承認の必要性
1 FC東京からの打診に応えるべきかどうか なし
2 FC東京からの提案をどう受け止めるか なし
3 2008年利用計画から内容を変更しても良いかどうか なし
4 「調布基地跡地留保地の活用による施設整備に関する基本的な考え方」の内容・策定 なし
5 「調布基地跡地留保地施設整備基本計画」の内容・策定 なし
6 基本設計委託料の予算化(12月議会で可決) あり
7 留保地取得費など関連経費の予算化(3月議会で審査) あり
財務省に提出する取得要望の内容 なし
9 都市公園条例改正(今年中に審査) あり
10 都市計画条例制定(今年中に審査) あり
11 基本設計や実施設計の内容 なし
12 FC東京との協議内容
(費用負担・施設利用割合・整備後の管理負担など)
なし

ご覧いただくと分かるように、議会の議決や承認を必要としないものがたくさんあります。ただし、予算には基本計画の内容やFC東京との協議内容が深くかかわってきますので、予算に賛成・反対することで、基本計画や協議内容を認めるかどうかの意思表示をすることは可能です。

しかし、この計画には次のような、かなり深刻な問題点がいくつもあります。

1.FC東京との協議内容が不透明
2.FC東京との費用負担割合が未定
3.FC東京と市民の施設利用の割合が未定
4.整備後の管理の負担割合が未定

2~4は、まだこれから協議だと答弁しています。つまり、総事業費もまったく見えませんし、市がどれだけ負担するかも決まっていません。議会としては、この事業の是非を判断する最大の材料となるものがどれも揃っていないため、賛成して良いのかどうかの判断は、常識で考えると不可能です。こうした状況で「議会の判断を仰ぐ」とわざわざ基本計画に書きこまれているのは、「先行き不透明ながら、議会が賛成した場合は、何が起きようと、同じ船に乗ったことになるのですよ」と前もってくぎを刺されているようなものです。

議会として責任ある審査、判断をするには、もっと詳細に渡り追求する必要があります。そのためにも、全員協議会の開催を市長に求めるよう議長に申し入れていますが、いまだに議長はそうしたアクションを起こしていません。

あまりにも問題が多い計画ですが、今後も、この行政の横暴な進め方を何とか軌道修正し、調布市の民主的なまちづくりを取り戻すため全力を尽くします。