【留保地12】留保地は「公園・緑地地区」
土地の使い方は、さまざまな計画にもとづいて網かけがされています。その大元になる計画は、「調布市都市計画マスタープラン」、通称「都市マス」と呼ばれる計画です。
調布市の都市マスは2023年度に策定され、計画期間は2042年度までの20年です。計画を作る時には、地域ごとにまちづくり懇談会を何度も開催し、地域の住民で課題を出し合ったり、将来のまちをイメージしながら話し合うプロセスを踏みます。(なぜなら、この街は住んでいる私たちのものだから!)
その都市マス、都市計画マスタープランでは、調布基地跡地留保地は「公園・緑地地区」の網かけがされています。他には「低密度住宅地区」「中密度住宅地区」「業務・商業等複合地区」「業務・商業等沿道地区」「住工共存地区」「スポーツ・産業・観光交流地区」「文教・研究施設地区」「大規模公共利用施設」があり、それぞれ地区ごとに目指す姿や、目指す時のプロセスなどについて定められています。
では、「公園・緑地地区」に位置づけられている地区は、どのような地区でしょうか。1月10、11日に開催されたオープンハウスの資料にはこのように記載されていました。

留保地は公園・緑地地区であり、スポーツ・産業・観光交流地区ではありません。方針としては
「良好な都市環境を形成するうえで重要な要素として、各種制度を活用しながら、積極的な保全に努めます。」
「都市計画公園・緑地等が計画されている地区は、地元意向等を踏まえた整備を推進します。」とあります。
つまり、緑地を保全することと、地元の意向を尊重する、ということが書かれているわけです。留保地のある地元では、とにかく自然環境の保全を求める声が圧倒的です。市が定めている計画に照らし合わせても、そうした地元の声を無視した整備は進められないはずです。
また、留保地のまちづくり方針には、2008年利用計画策定後の周辺地域での施設整備等の状況の変化を踏まえて検討、整理する、と示されています。「2008年利用計画策定後の周辺地域における施設整備等の状況の変化」で最も大きいのは、大沢総合グラウンドが武蔵野の森公園になったことです。サッカーグラウンドや野球場などの運動施設がいくつも整備されました。そのため、当時と比べると運動施設のニーズは満たされていることになります。

また別の方針では、西町の地域には調布基地跡地がありますので、全体としてスポーツ交流拠点としていくという方向性も示されています。ただし、整備するスポーツ施設は「安全で利便性の高い」ものを目指すことになっています。プロサッカーチームが主に使うサッカー場が、市民にとって利便性の高い施設になるとは考えられないのではないでしょうか。

こうした市の上位計画の網かけから改めて留保地のあるべき整備の方向性を考えた時に、今の市の基本計画は、あまりにも市民と約束した計画に沿わない内容だと言わざるを得ません。調布市はもっと市民が納得できる説明をするべきです。
民間活力の活用を頭から否定するつもりはありません。しかし、行政が民間と手を携え、民間活力を活用するのは、あくまでも市民サービス、市民福祉の向上が目的です。市民が自由に使えない施設を作ったり、地元の意向がないがしろにされるような計画を進めることが目的ではありません。
繰り返しになりますが、留保地は「公園・緑地地区」です。「地元意向等を踏まえた整備を推進する地区である」というところをベースに進めるべきであり、そのためには一旦立ち止まり、飛ばしてしまったプロセスを踏み直すべきでしょう。