子どもに光・暗やみ・外遊びとワクワク・ドキドキを!
いっしょうふれあいネットワークの皆さんで企画してくださった、日本体育大学の野井真吾先生の講演会「いま、子どもたちの育ちと学びを考える」に参加しました。
日本の子どもの睡眠時間は、9歳で約9時間、15歳で約7時間半、18歳で約6時間45分です。私たちは「まあ、そんなものかな?」と思うかも知れませんが、他国と比較すると、非常に短いのです。(睡眠時間が長いオーストラリアでは、9歳で約10時間半、15歳で約9時間20分。)
眠くなるには、睡眠導入ホルモンのメラトニンが十分分泌される必要があります。それには、昼間に光を浴び、時間を意識した生活を送り、夜は光を落とすことが重要です。
学校では、よく「早寝・早起き・朝ごはん」を標語にしますが、それは、むしろきちんと睡眠がとれているか、メラトニンが分泌されているかを示すバロメーターの方なので、標語にするなら「光・暗やみ・外遊び」の方が適切なのだそうです。
また、近年、大脳前頭葉の「不活発型」の子どもが増加傾向とのこと。前頭葉は心の身体的基盤があり、前頭前野はワーキングメモリをつかさどっています。集中力を続けるには、脳は興奮状態、感情をコントロールするには、脳は抑制状態をキープする必要がありますが、不活発型はこの成長が遅れています。つまり、集中できない、感情のコントロールがADHD傾向のある子どもが増えていることになります。学級崩壊や小1プロブレムの背景には、こうした前頭葉の発達の遅れがある可能性があると考えると、納得がいきます。
2001年に発表されたADHDの子どもに対する運動の効果に関する実験によると、男の子は激しい運動でADHDの傾向が軽減したそうです。女の子は、あまり激しすぎるとマイナス効果が出るものの、激しすぎない適度な運動で軽減したとのこと。
実際、藤野北小学校で朝の10分を外遊びに充て、思い切り体を動かすようにしたところ、頻発していた子ども同士のトラブルが激減したそうです。やりたいことを子どもたちに決めさせることで、さらに子どもたちは夢中になって遊びます。
子どもがワクワク・ドキドキして、夢中になり、興奮できる体験を導入することで、まず脳の興奮状態が育ち、その後、抑制する力が育つ。だから、まずやるべきはしつけや道徳教育ではなく、ワクワク・ドキドキできる取組みであり、それは、子どもにとって最大の学びである「遊び」です。
最近、スポーツの習い事をしている子どもも増えているように感じていますが、野井さんは「スポーツで子どもの心は育たない。なぜなら、スポーツは遊びではないから」とおっしゃっていました。(やっぱり留保地には運動施設よりも自然遊びができる環境がほしいなあ!)
日本は、極度に競争的な教育制度によって子ども時代と発達が害されないよう、国連から勧告を受けています。こうした教育制度や社会の圧力だけでなく、発達への影響が指摘されている国は、日本だけだそうです。
私たちは、子どもたちに何をしてあげれば良いのでしょうか。そのヒントは、「光・暗やみ・外遊び」「ワクワク・ドキドキ」というキーワードに隠されています。
子どもたちが原体験を増やせる遊びの環境と時間を増やしていきましょう。
