【留保地①】調布基地跡地留保地とは?2008年の利用計画ができるまで

「調布基地跡地」は調布市と三鷹市、府中市にまたがる米軍基地跡地のうち、調布市内にある部分を指します。全体で約203haある基地跡地のうち調布市の区分は102.9haを占めます。すでに大部分が調布飛行場、味の素スタジアム、武蔵野の森公園や京王スポーツプラザなどに利用されていますが、西町公園を囲むように西北に広がる6haの土地は、国(財務省)が保有する最後の「留保地」となっています。

(出典:Google Earthをもとに木下作成)

2000年代半ば、国がこうした米軍から日本へ返還された大きな土地の扱いを「原則留保」から「原則活用」に変えました(財務省「大口返還財産の留保地の今後の取扱いについて」参照)。活用の主体は、その土地がある自治体です。そこで、調布市もこの留保地を活用することになり、市役所内での課題整理や検討、さまざまな市民参加や市・財務省・東京都の協議会などに4年をかけ、2008年に「利用計画」を策定しました。

2008年利用計画では、「防災・スポーツレクリエーション機能を有する公園」を整備するという方針で、下記のような施設配置を計画しました。

当時はまだ武蔵野の森公園の西町サッカーグラウンドもなかったため、こうした運動施設のニーズもありました。一方、樹木をできるだけ残してほしいという声も多かったため、樹木が比較的少ない北側に運動施設を配置し、南側は既存樹木を生かした広場を配置してあります。

公園の中に配置できる運動施設の面積は、都市公園条例で定める1/2未満としていましたので、広場面積がゆったりと取られています。

これは、2008年利用計画をベースに2013年頃に描いた計画平面図です。南側の自由広場には既存樹木がたくさんあり、ツリーハウスや展望台などが配置されています。丸い広場は外周が220mある大きな芝生広場です。既存樹木は70本ほど残し、さらに30本くらい新しく植樹する計画となっています。


(「調布基地跡地計画平面図と自然環境調査報告書概要版」より)

時間と労力をかけてここまで進めていましたが、土地を財務省から取得し、さらに公園を整備するには大きな財源が必要となります。当時、調布駅前広場の立体交差事業などを抱えていた市は、なかなかこの利用計画を実行に移すことができないまま、17年の年月が経過しました。(つづく)