調布市のPFASはどんな状況?(2024.9.21現在)

9月のおしゃべりカフェはテーマをPFASにしました。新しい情報も共有しながら、今後何に気を付けていけば良いかみんなで考えました。

当日の資料を共有します。

20240921 おしゃべりカフェ完成版のサムネイル

スライド6枚目に市内3カ所の配水所の配水先が住所ごとに分かる地図と表を掲載しています。今回改めて調べたところ、唯一井戸水を使っていた上石原配水所(高濃度のPFASが検出された2本の井戸は2020年から停止)は、今年春から使用していた5本の井戸からの取水も止めており、すべて川の水が水源として使われていることが分かりました。蛇口から出る水(給水)のPFAS濃度は、東京都水道局の管理下で2022年度から5ng/Lを切っています。PFASゼロを目指すアメリカの厳しい新基準が4ng/Lですので、遜色ない数値と言えます。

一方、内閣府食品安全委員会のPFASワーキンググループでPFASの健康影響評価について審議が重ねられた結果は、予防原則に基づくものとは言えないものでした。過去の疫学研究や動物試験の結果を知見が限定的、人への影響を示すものではない、といった理由で検討材料に加味せず、体重1kgあたり1日に摂取できる量をPFOS、PFOAそれぞれ20ng/kgとしました。2物質を足すと1日に体重1kgあたり40ng摂取しても大丈夫ということになります。2024年6月25日の朝日新聞では、「欧州食品安全機関(EFSA)は2物質の合計で体重1キロ当たり0.63ナノグラムと設定。これと比べると、今回の評価書で採用された2物質の合計値の40ナノグラムは、60倍以上の緩さになる。」と指摘しています。発がん性についても、予防原則に基づいてレベルを引き上げたWHOの見解に対しても、明らかに発がん性があることが証明されたわけではないと、健康評価の判断材料に組み入れませんでした。

分からないことが多いからこそ、健康に悪影響がある危険性を前提に予防原則にもとづいて対策を打つのが、国民の命と健康を守る国に求められる姿勢です。寄せられたパブリックコメントは約4000件で、同様の懸念を示すものが大半だったようです。アメリカは4ng/Lを基準値とし、あいまいな目標値は定めないという厳格な姿勢でPFAS問題に取り組んでいます。日本もこのまま目標値50ng/Lを基準値に引き上げることは許されません。

よくご質問をいただく、「調布市の水道水は大丈夫でしょうか?」のご質問に対しては、現在はそのままでも大丈夫ですとお答えしています。それでも心配な方は、活性炭を通せばかなり除去されます。ただ活性炭はPFASを吸着したのち、飽和状態になると一斉に放出するそうですので、使用期限がきたら必ず取り替えてください。また、PFASは1000度以上で焼却しないと分解しないと言われています。調布市のゴミ焼却の温度が800~1000度程度と聞いていますので、活性炭フィルターのその後の処理が課題です。吉備中央町のようなことは、いつどこで起きるか分かりません。やはり使わない、元から断ち切ることが重要なのです。