オリパラ観戦についてー学校の熱中症対策について考える

私も小学生の保護者です。2年前、調布市学校教育における熱中症のリスク管理について疑問を感じた経験があり、議員になって初めての一般質問で取り上げました。今回のオリパラ観戦における熱中症対策についても、アンケートの回答にいくつも心配のお声がありましたが、実は私自身も大きな不安を抱いています。

運動会における熱中症対策について一般質問をした2019年の5月は、地球温暖化の影響などで記録的に暑い日が続き、調布市内でも運動会の練習中にも多くの子どもたちが熱中症になりました。愛知県では校外学習後に亡くなった小学校一年生もいましたし、全国各地で何十人もの生徒が熱中症で病院に運ばれたというニュースが流れました。

市内の多くの小学校で運動会が予定されていた5月25日は、最高気温が34℃になると予報されており、一保護者として、また議員として、延期や時間短縮ができないのか、学校や教育委員会に見直しを求めていました。各校でさまざまな対策が考案され、持参して良い暑さ対策グッズの連絡メールが届いたのは、運動会直前でした。私も市役所からの帰りにメールを受け取り、その足で薬局に買いに行きました。

当日、各校では暑さ指数計測器が使われていましたし、冷房の効いた教室を開放した学校もありましたが、50人ほどの子どもが熱中症などの症状を訴え、一人は病院に搬送されました。

暑さ指数は、<気温><湿度><輻射熱>から算出します。5月は湿度が低いため、気温が相当上がらないと暑さ指数は上がりませんが、体が暑さに慣れていない時期です。また、子どもは体温が高めですし、輻射熱の影響を多く受けます。そうしたことから、「原則運動中止」の暑さ指数の基準を満たしていなくても、5月の気温が高い日には多くの子どもが熱中症になる危険性が高いことが分かりました。大人も子どもも運動会に寄せる気持ち、期待があることは分かります。しかし子どもの命や安全は何物にも代えられません。

今回のオリパラ観戦については、コロナと同様に、熱中症の危険性を心配する声がいくつも上がっています。まだマスク生活が始まっていない、延期決定前から、熱中症対策を十分に講じる自信がないと、都内 24自治体、計 307 の小学校が辞退する意向を示し、7割以上の学校で1~3年生の参加を見送る方針を示していました。

子どもたちが安全に参加するには、具体的な対策が示されるべきです。また、保護者も学校任せにせず、話し合い、要望を精査して示していくことも必要かも知れません。確実な安全・安心を手に入れるために何をすれば良いか、どんな情報が必要か考えましょう。私も、そのために協力できることは何でもしたいと思います。