「新型コロナウイルス感染症対策についての要望」を市に提出しました

4月30日付で要望書を提出しました。(PDFファイルはこちら

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調布市長 長友貴樹様

新型コロナウイルス感染症対策についての要望

2020年4月30日

生活者ネットワーク

市長ならびに職員の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染防止対策のため、今までにない緊急事態の中、少ない職員体制で職務に当たっていただき感謝申し上げます。市民の命と安全・安心を守るために、以下の項目についても検討を要望いたします。

<学校の対応について>

「調布市子どもの生活実態に関する分析報告書」によりますと、小学生のおよそ6人に1人、中学生の5人に1人が生活困難層です。家庭環境の課題は複合的であることも多く、日ごろからさまざまな支援を必要とする家庭の児童・生徒の中には、非常事態の下、さらに厳しい環境に置かれているケースがあることが予測されます。通常、家庭訪問などを通して各家庭環境を詳細に把握することが難しい学校にとって、電話による安否確認など、各家庭への個別アプローチが可能な今こそ、子どもたちの生活実態の把握を深め、個々の家庭事情に心を寄せて対応をしていただくことを求めます。学校での問題行動や学業不振の背景には家庭環境の課題が存在していることも多いため、家庭環境への理解は、学校再開後の指導にも生かされるはずです。

〇電話での安否確認に加え、「調布市子どもの生活実態に関する分析報告書」の内容から読み取れる生活困難層の子どもたちの生活の現状を小中学校の教職員と共有し、日ごろ見えない子どもたちの家庭環境への理解を深めてください。

〇学校から出されている課題について、家庭環境の格差による子どもの不利益に配慮してください。そもそも学校から課題が出ていることを知らなかったという保護者の声を真摯に受け止めてください。インターネット環境がないために課題が見られない、課題の印刷が難しい、また日本語を母国語としない保護者と子どもは理解しにくいなど、家庭環境による格差が出ないよう丁寧に対応するとともに、すべての児童・生徒に課題を郵送し、そのための予算措置を取ってください。現在、一部の学校が休校明けに確認テストを行うことを前提とした課題を出していますが、全員が学べる環境が整っていない現状下での確認テストの実施は見直してください。

〇休校の長期化に備えて、東京都に対してオンライン教育の早急な推進による学習環境の整備を求めてください。インターネット環境がない家庭に対しては、wifi機器やタブレットなどの貸与を行い、zoom等による朝礼や授業を行うなど、新入学・進級したばかりの児童・生徒一人ひとりとクラス担任のコミュニケーションを図る工夫をしてください。

〇外遊びや友達とのふれあいができずストレスが高まっている子どもたちや、子どもの成長に必要な学びや遊び、社会的な関わりが不足していることを心配する保護者に向け、心のケアができるようなメッセージを随時発信してください。

〇通級や特別支援学級、特別支援学校を利用する児童・生徒の中には、大きな不安を感じている子どもがいる他、保護者の負担も懸念されます。担任や通級の担当者からも電話での安否確認を行うなど、休校期間中の不安解消のための策を講じてください。

〇感染防止対策をした上で、学校への分散登校や学校施設を活用した学童保育の実施等により、虐待リスクがある家庭の子どもに対する社会的ケアの場や居場所を提供してください。そのためにも、現在、特例的に学童や居場所確保のための教室開放およびユーフォーを利用している家庭以外にも利用希望者が出た場合には、それぞれの家庭事情に応じ、柔軟に対応してください。

〇感染防止対策をした上で、多様な方法で、希望するすべての家庭の子どもに給食を提供できるようにしてください。

〇公園などで感染防止対策を取らずに活動している小中学生や若者の姿が見られます。学校からも新型コロナウイルスについての正しい情報とマスク着用やソーシャルディスタンスを取るなどの感染防止に有効な対策についての周知をしてください。

 

<特に支援が必要な子ども家庭への対応>

〇休業等の影響を大きく受けることが予想される子育て世帯に対していち早く経済的支援を届けるため、児童扶養手当の上乗せ支給を求めます。その際、多子世帯やひとり親家庭に対しては、生活の厳しさを鑑みてさらに加算をしてください。

〇現在、市内子ども食堂ネットワークやフードバンクちょうふ、若者の再出発を支えるネットなどの市民により、必要とする世帯に対してレトルト食品などを宅配する活動が行われています。休校が長期化する中、子どもの食を守るために、市もこのような市民の取り組みに財政的な支援をしてください。

〇海外にルーツのある子どもと家族が制度からこぼれ落ち、社会的に孤立することがないよう、多言語による情報提供をきめ細かく行うとともに、相談・支援につながるよう調布市においても施策充実を図ってください。

 

<DV・虐待の被害者を守るために>

〇学校の長期休校や保護者の仕事の休業、会社からのテレワーク要請などで、家庭内での DV や児童虐待の問題が深刻化していることが明らかになっています。一方ですこやかなどへの相談件数には反映されていないことから、被害者が相談しづらい環境にいることが予測されます。緊急の状況下においても、DV や虐待の相談窓口を継続するとともに、市報やHP等でそのことを繰り返し周知してください。

 

<特別定額給付金の給付にあたって>

〇内閣府および総務省の「配偶者からの暴力を理由とした避難事例における特別定額給付金関係事務処理について」(4月22日付)にあるように、確実、かつ安全に給付されるように求めます。また、給付開始までの時間が少ないため、該当者に対して速やかに周知してください。さらに、給付の実務にあたっては、DV対応の担当者も配置し、連携して対応できるようにしてください。

〇今後、新型コロナウイルス感染の終息までにさらに給付金や支援金がある場合、確実に必要な個人に届けるために、申請書の郵送先を個人宛にしてください。または、同封する申請書類を給付対象者ごとにし、給付対象者ごとに異なる振込先を指定することができるようにする等、世帯主が世帯受給権者として使い道まで決めてしまうことがないようにすべきです。ただし、同一口座に振り込みを希望するものにおいては、それを可能とすること。

〇外国人や障がい者、ほか配慮が必要な市民へは、わかりやすい日本語や多言語による情報提供をお願いします。また、ホームレスやネットカフェ生活者など住民票を持たない人も登録により支給を受けられることとなっています。登録申請には速やかな対応を求めます。児童養護施設など施設生活者について課題が生じることも予想されることから、さまざまな相談に応じられるようホットライン開設やホームページ活用を求めます。

 

<市民の健康を守るために>

〇感染の疑い・不安を抱える市民に、的確に対応できる発熱外来体制(窓口)を多摩地区にも設置するよう都に要望するとともに、市においても、国や都の指導のもと、医師会等に協力を得て発熱外来体制を確立してください。

〇軽症者のために、市内もしくは近隣での入院先ホテルの確保を都に要望してください。

〇市報やホームページ、防災無線等の媒体を用いた注意喚起や相談・支援についての情報は、外国籍の人にも分かりやすいように易しい日本語や多言語を用いてください。

〇「三密を避ける」という表現が「屋外は安全」という理解につながっていることが懸念されます。ウイルスの性質について正しい情報を提供するとともに、公園などにおいてもソーシャルディスタンスを取ることやマスク着用の厳守、飲食をしないなど、屋外での過ごし方についても、子どもや外国籍の人にも分かりやすいように画像やふりがな付きの日本語、多言語表記を用いるなどの工夫をして周知してください。

 

<避難所について>

〇避難所の新型コロナウイルス感染症対策を早急に策定し、そのための予算措置を講じてください。具体的には、次のことを要望します。

・密集を避けるために、避難所以外の他の公共施設も使用し、避難所を増やす。
・発熱や咳の症状がある人のための場所を確保し、トイレなどの動線を分ける。
・消毒薬やマスクなど手に入りにくい物品の備蓄を確保する。
・医療従事者の常駐など、医療との連携を図る。

以上

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