親の会主催学童クラブ出前講座を傍聴
親の会の方が主催される学童クラブについての出前講座を傍聴しました。メンバーの方10人くらいのうち、来年度に小学校入学を控えていらっしゃる方がお2人ということでしたが、すでにお子さまたちが該当の年齢ではないメンバーの方々からも活発に質問が出され、親の会の層の厚さを感じました。
来年4月にお子さまが入学を控えている保護者の中には、特別支援学級か特別支援学校かで迷っていらっしゃる方もいます。支援学級の場合は支援学級のある学校に近い学童クラブ、支援学校の場合は自宅に近い学童クラブを利用することになりますし、さらに富士見町学童クラブも開設されるということで、複数の選択肢の中で迷われているようでした。こうして時間をかけて情報を集め、お子さまのためにより良い選択をしようと努力されている保護者に対して、その期待にきっちりと応えられる教育機関、学童クラブ事業を保障していかなければいけません。
親の会の方からさまざまな質問や要望が出される中、まなびや施設長の中島さんからは現実的なご指摘がありました。富士見町学童クラブでは医療ケア児も受け入れることになっており、対応としてはたんの吸引、胃ろうカテーテル、鼻腔吸引を現在検討中です。中島さんのお話では、例えば胃ろうカテーテルは管が抜けかけてしまった場合は、医師がいない施設では看護師も差し直しができないため、保護者がお迎えに来る必要があります。看護師すべてに吸引やカテーテルの十分な経験があるわけではないので、4月からすぐに保護者の方がフルにお仕事をされるのは難しいかもしれないということでした。車両送迎についても、お子さまの安全を確保するにはコミュニケーションを密に取りながら進めていくことが重要ということですので、保護者の忍耐強い理解と協力をお願いしたいところです。
私が一番心配だったのは、保護者の方々からの問いの中にもあった、「障がいを理由としたいじめはないのか」ということです。これに対しては、児童館の館長を務めていた職員から、きっぱりと「ない」という返答があり、バリアフリー化されていない施設では、肢体不自由のお子さんのケアを職員と子どもたちでやっているという報告がありました。実際に学童を利用している保護者の方からも、お子さまが楽しそうに学童に通っていること、運動会でも公園でもお友だちに声をかけてもらっているといったお話もありました。
最後の会長の進藤さんのご挨拶では、大きなハードルだった学童クラブへの車両送迎や常駐看護師の配置といった課題も、親の会から強い要望を続けてきたというお話がありました。今予算化に向けた取組みが進んでいる背景には、こうやって当事者の方々が声を上げ続けてきた積み重ねがあるのですね。会長さんをはじめ、今日発言されていた方々の多くが、すでにお子さまたちは学童クラブを利用する年齢ではない方々です。しかし、こうして「先輩たち」が、すでに当事者ではない事柄についても代弁者として要求し続けていること、その粘り強い働きかけのおかげで、少しずつではあっても市内の障がい者福祉が前進してきていることを実感し、胸が熱くなる思いでした。
富士見町学童クラブはたくさんの期待を背負った事業ですが、当事者の方々、事業者、そして行政職員がこうやってお互いの立場を理解し合いながら、率直に意見交換ができる場を継続して、大切にしていっていただきたいと思います。