発達障害の特性との向き合い方
白百合女子大学の宮本信也先生の講演に参加しました。
「発達障害は障害ではなく、持って生まれた特性であり、遺伝によるものなので、特別視する必要はない」という温かく力強い定義から始まりました。
発達障害の6つの型のうち、自閉スペクトラム症とADHDは行動にその特性が現れることから、学校などで問題視されることが多い。特に、集団行動ができることや、場を読み、上下関係をふまえた言動ができることなどが重視される日本社会では、自閉スペクトラム症は問題視されることが多いため、日本は自閉スペクトラム症の診断が下りる子どもが他国より多い、とのこと。
その一方、アメリカでは子どもと大人の線引きがはっきりしていて、大人と同じ空間にいる子どもはおとなしく振舞うことが期待されるため、ADHDの診断を受ける子どもが多いそうです。
つまり、発達障害は置かれた環境との関係の中で生まれるものだということがよく分かりました。今、発達障害の子どもが増加していると言います。取り出しの指導の必要性や効果もあるでしょう。しかし、そもそも発達障害を生まない環境を整えていくためには、社会全体が多様性を受容することが求められる。つまり、障害のない多数の人々の意識を変えていく必要があるのではないでしょうか。