DVと性暴力
「女性が暮らしやすいまち」第2回学習会に参加しました。講師は、お茶の水女子大名誉教授でジェンダー法学がご専門の戒能民江さんで、テーマは「ドメスティック・バイオレンス(DV)と性暴力」でした。
1970年代後半に離婚が増加する中、国内でもDVの存在が指摘されていたものの、問題が顕在化されるにはおよそ20年かかりました。1993年に国連で採択された女性差別撤廃条約、1995年に北京で開催された世界女性会議などを経て国際社会の動きに後押しされるとともに、1999年から国内でも実態調査が行われるようになって、ようやく日本でも具体的な取組みが始まりました。当時は7か所しかなかった民間シェルターが2018年には全国で107か所にまで増えているそうです。
それでも、まだまだDVの理解が進んでいないことが浮き彫りになったのが野田市事件でした。母親も夫からのDVの被害者であったにもかかわらず、DV被害への理解不足から、傷害ほう助の罪に問われた母親には検察が求刑した懲役2年よりも重い判決が下されることになりました。被害者が追い込まれる精神状態、家庭のことには介入しない・しづらいと感じる世の中の認識、被害者が逃げ続けなければならない特異性など、DVの問題に特化した理解と取組みを進めなければならないことが分かりました。
性暴力についても、19歳の女性が中2の頃より実父から性虐待を受けてきたケースで、実父に無罪判決が下りた例が示すように、被害者を救う法的根拠もなく、まだまだ発展途上です。被害者が声を上げづらく、実態に即した支援制度や刑法のあり方が明確に認識されていません。
調布市内での実態や行政の取組みはどうなっているのか、調べていきたいと思います。