第二回定例会一般質問①~外環道工事近隣住民の安心と安全の確保のために~

外環道工事近隣住民の安心と安全の確保のために

皆さま、おはようございます。生活者ネットワークの木下安子です。通告通り、一問一答方式にて、初めての一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

まず大項目の1つ目、外環道工事近隣住民の安心と安全の確保のためにというタイトルで質問をさせていただきます。

平成29年第一回調布市議会定例会では、市民からの陳情を受けて、「外環道沿線住民の緊急時避難計画策定を求める意見書」についての議案が全会一致で可決され、実効性をともなう緊急時住民避難計画のすみやかな立案と住民への説明を求める意見書が調布市議会から国に提出されました。

 また、平成30年第三回調布市議会定例会では、「外環道路工事で野川に発生した気泡問題に関する住民説明会の開催を求める意見書」についての議案が全会一致で可決され、住民に対して、地表面の安全性の明確化と丁寧な説明を求める意見書が国に提出されました。

 野川の気泡問題後、昨年6月頃から約二か月間工事の進捗が遅くなりましたが、現在、世田谷区成城3丁目まで進んでいる状況です。この後、狛江市を通過したのち、夏から秋ごろには調布市に到達予定ということで、早ければ来月にも、というところまで迫っています。しかし、緊急時の住民避難計画、および気泡についての説明を求める意見書に対して、オープンハウスなどにおける事業者の対応や説明がいまだに住民の安心に確実には繋がっていない現状があります。外環道の問題は、すでに過去の定例会や、また広域交通問題等特別委員会でも取り上げられてきた問題ではありますが、いよいよという大切な時期に差し掛かりました今、改めて、大きな不安の中にいる当事者の市民に対して、安心と安全を保障するためにできることへの具体的な取り組みの進捗状況や、また市民に寄り添う姿勢について問いたいと思います。

 中項目の1点目です。(1)住民の安心のためにわかりやすい情報提供を。外環道の工事は、自宅の真下や近辺の地下が工事の対象となっている市民にとっては、不安の大きい大工事です。私も5月31日に現地をいくつか視察してまいりました。当たり前のことですが、トンネルを掘ったあとの土砂を一時的にためておく巨大な土砂ピットや排気口などがそびえたっているところに比べ、大深度工事が行われるエリアは、嘘のように地上にまったくそのことが見えません。そのため、住民の関心の度合いに温度差があることが想像されました。また、一言で住民と言っても、中には家の下40mのところで大深度工事が行われる方々、地下の比較的浅いところをランプトンネルが通るという方々、また、複数のトンネルがレンコンの穴のように通る拡幅部の上に住んでいる方々などなど、仮に隣同士でも置かれている状況が大きく異なっていることもあり、不安の種類や度合いもさまざまです。

 住民同士が個々に抱える不安を共有しあうことも難しい状況にある現状の中、安心して暮らしていただくためには、何よりも、まず国などの事業者と住民の信頼関係の構築が重要です。そのことは、これまでの国や事業者からの不十分な説明や情報提供にともなって住民の不安や不信感が増加してきた経緯を見ても明らかです。ぜひ市にはそういった市民の気持ちを汲んでいただきたいと思います。

 例えば、事業者が「地表への影響はない」と説明していたにもかかわらず、気泡や地下水が地上に出たということがありました。改めて気泡が出るメカニズムについて聞きますと、泡状のものを土に練りこみながら掘り進む以上、時間を置いて地上に気泡が出ることはそもそも当然のことであって、事業者のいう「地表への影響」に気泡は含まれていなかったことが想像されます。しかし、一般市民には簡単には予測も理解もできないことです。こういった事業者と住民の間の知識の差が、認識の違いを生み、相互理解を阻んでいることが考えられます。

 また、トンネル工事は経験工学である、つまり、地下は開けてみないと分からないものなので、万全の安全対策は当然取るけれども、途中で想定外のことが起きる可能性は否定できない、想定外のことがあれば、その都度臨機応変に対応する、そういうものだ、と説明をされても、いざ自分の家の真下でそのような工事が行われるとなると、まるで人体実験をされるかのような心もとなさや恐怖を感じる、そんな一般市民の気持ちも理解できます。

国の事業ですので、市としてできることには限界がある中で、一般市民の感覚に寄り添い、市民の不安の払しょくに努めていただきたいと思っています。その一つとして、市には事業者側の説明では伝わりきらない部分を補足説明する仲介役としての役割を担っていただきたいと思います。自分の住む街の行政がきちんと気持ちを受け止めてくれるという安心感を得ることで、かなり不安が軽減されるのではないかと想像します。

 また、市のホームページの外環道に関するサイトにはもっと工夫が可能だと思います。外環道が通過する7つの市区の中で、練馬区のHPにおける外環道工事についてのページが最も充実しています。例えば、昭和41年に高架方式の都市計画決定がされた時点からの国、都、区の動きが時系列で示されているなど、計画への賛否に関係なく区民の関心が高いこともあり、丁寧な情報提供をしようという姿勢がうかがわれます。調布市では、一般市民にわかりやすい情報提供について、どのようにお考えでしょうか。

次に、工事日程や進捗状況の周知についての市の取組について伺います。今年の2月2日、外環道工事についての周知をはかるため、私も市民の方々と一緒につつじケ丘駅前で呼びかけをしました。次々とチラシを手に取っていく方がいらっしゃいましたが、工事のことをご存知の方は、私が気づいた範囲ではお一人だけでした。

万が一の時に備えての自助の強化のためにも、立て看板や掲示板、ホームページなど、適宜更新が可能な広報ツールで工事の日程や進捗状況を周辺の住民にわかりやすく知らせることが重要だと思われます。その際、できるだけ多くの市民の目にとまり、またより多くの一般市民にとって理解しやすいように、立て看板や掲示板の場所、内容の表記方法などについては、市民の意見を取り入れながら進めていただきたいと思いますが、市として工事に関する住民へのわかりやすい周知について、どのような工夫をしていかれるつもりでしょうか。

―――――答弁―――――

ありがとうございました。最後にまとめますので、次の中項目に移ります。(2)確かな安全管理体制を。

まず調布の環境と市民の安全を守る観点から質問いたします。千葉県は、外環道工事についても当初から環境保全の観点からの独自の取り組みに積極的であったことから、環境保全専門部会を設置し、騒音、振動、地下水位、地下水質などを定期定に監視し、工事現場周辺に設置された掲示板で地域住民に公表していました。

調布市も基本計画の中で「環境に負荷を与える活動を抑制する」ということを目的に、市民や事業者の意識啓発に取り組むと宣言されています。また、2003年、「都市高速道路外郭環状線(世田谷区宇奈根~練馬区大泉町間)事業に係る環境影響評価方法書に対する意見について(回答)」の中で、地下水流動および推移、水質汚染、大気汚染、生物および生態系、地下水脈や川の水質などについて現地調査を徹底するよう東京都に対して要望を出されています。そのかいもあって、確かに市内でも事前調査はされていますが、トンネル工事の環境への影響は、工事が始まってから終了後も継続するものです。トンネルは、武者小路実篤が愛したという実篤記念館の湧き水の脇も通ります。環境保全の観点からは、地盤変動や地下水位、水質の監視体制を作り、継続することが望まれます。

 また、市民の安全、安心の確保という視点では、2018年7月に国などの事業者が「東京外かく環状道路(関越~東名)トンネル工事の安全・安心確保の取組み」を発行しました。これは、確実な安全・安心の確保を求める住民からの緊急時避難計画の策定を求める要望を受けて作られたものと想像されますが、現状では、その内容が住民の十分な安心につながっておりません。

 先ほど、環境保全の観点から地盤変動や地下水位、水質の常時計測と定期的な市民への結果公表の必要性に触れましたが、この環境保全対策は、安全・安心の確保の取り組みの5ページで、緊急時として定義されている「トンネル内に掘削土以外の土砂等が大量流入する時」つまり、大量の土砂の流入にともなって地上面におこる可能性のある地盤沈下への備えにもつながることが期待できます。市として環境保全、また安全管理体制の構築の両方の視点から、市民に対する地盤変動、地下水位、および水質に関する情報提供にどのように取り組まれるのでしょうか。

 次に小項目の2点目です。具体的な避難経路を含む実効性のある避難計画策定を。市民の命を守る観点から、市のより具体的で実効性のある避難計画策定への協力体制についてうかがいます。例えば平成28年11月8日に起きた博多駅前の道路陥没事故では、工事現場の職員が異常を感じて避難してから陥没が起きるまでの時間は、わずか15分でした。外環道とは工法が異なることから、このような大規模な陥没事故が起きる可能性は非常に低いことが想定されるとしましても、シールドトンネル工法を導入した倉敷海底トンネル工事での事故もありましたので、このような事故の情報を得た一般市民が不安を大きくすることは当然理解できることです。また、事故の可能性が全くゼロだとは言い切れない以上、より具体的な避難経路と実効性のある避難計画を策定するべきだと考えます。

 「トンネル工事の安全・安心確保の取組み」の8~9ページの中で事業者側から示されている、万が一に備える緊急時の対応に対して、市としてできることをすり合わせていく必要性があることは、すでに広域交通問題等特別委員会での答弁の中でも触れられているところです。例えば8ページには、万が一避難が必要となる場合には、「近くのオープンスペースなどに一時的に避難誘導」するとあります。しかし、必ずしも公園などのオープンスペースが適切な避難場所ではないところもあるでしょうから、事業者に対して、市からより具体的、かつ的確な情報を提供するという形で協力し、万が一への備えの充実をはかることが可能ではないかと思います。

 また、同委員会の中で、総務部総合防災安全課長からは、訓練の必要性への言及があり、該当地域の住民が実際に動くようなものを含む訓練の方法について検討したい、との答弁がありました。例えば、配慮や援助が必要な高齢者、障がい者、乳幼児や妊産婦についての情報を提供するという形での協力ができるかと思います。また、共助を強化するために、近隣住民同士が顔見知りの関係になるような取り組みを市が主体となって企画できないでしょうか。市としての安全・安心のための取り組みについてのお考え、また具体的な計画についてお答えください。

最後に、工事終了後の安全管理体制をどのように整えていかれるのかお尋ねしたいと思います。地下工事の影響を受けて地表で起きる事象については、工事終了後、時間差を置いて起きることが十分に考えられることから、実際に地下をシールドマシンが通過する時だけではなく、工事後も継続して経過をチェックする体制が必要だと思われます。市としては、事業者に対して地下工事終了後いつ頃まで、どこまでの範囲にわたって安全面の調査を継続するように働きかけるべきか、住民の意見を聞きながら事業者に伝えていくおつもりはあるでしょうか。

―――――答弁―――――

【まとめ】

ご答弁ありがとうございました。まとめさせていただきます。行政や事業者と一般市民はよって立つ論理や言葉が違うことが多く、相互理解には時間がかかることは私自身も実感があります。その中で、市が国や事業者と市民の仲介役をしてこられた経緯も理解していますが、まだ十分とは言えません。引き続き市民との対話の場を大切にしていただき、その中で聞こえてくる安全、安心を求める市民の切実な声に耳を傾けていただき、国をはじめとした事業者にその声を伝え、心ある対応を要望し続けていただきたいと思います。

不安を感じている市民の声には、より多くの市民の安全と安心につながるヒントがあると考えます。万全を期して安全確保が行われているとしても、巨大なシールドマシンが自宅の下をいつ通過するのか、不安を感じるのは当然のことです。市民の思いに寄り添い、事業者への不信感の払しょくに努めつつ、全住民の益となる対応を見極めていただきたいと思います。質問の中でも申し上げましたが、自治体の掲示板など、すでに住民にとって情報提供の場として浸透している広報ツールや立て看板、市のHP、またタイミングによっては夏祭りといった人が集まる場所を利用するなど、住民の方々に必要な情報が届くよう努めていただきたいと思います。

 万が一に備えての安全管理体制につきましては、まち歩きを予定されているということですが、すでに早ければ来月にも市内に到達しようというタイミングです。事業者からは工事のおおよそひと月前にならないと連絡が入らないということですので、場合によってはそれを待たずに実施する、また複数回開催する、なども視野に入れて進めていただきたいと思います。

 また、市全体におかれましては、地下トンネル工事が地下水を始め、市の環境に負荷をかけるものである認識をもち、環境保全の観点から工事後も現場周辺の環境へのチェックをお願いしたいと思います。以上のことを要望いたしまして、一つ目の質問を終わります。